【高野山真言宗成田山真如院(羽幌本院・札幌分院)】札幌・羽幌での十三参り・水子供養など

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「四国八十八ヶ所巡拝と衛門三郎のお話」

〈更新日: 2006年11月06日 〉 ※写真が掲載されている場合は、クリックすると拡大表示されます。

先般、10月15日北海道八十八ヶ所第1番札所真及寺において北海道八十八ヶ所霊場の開創法会が執行され、資述敏雄大僧正の大導師の下、厳かなうちに感動的な大法要が行われた。

この法要には、当日約1千2百人の参拝客があり翌日から2日間行われたお砂踏みのお参りにも約6百人の参拝客があり、総勢約1千8百人のお参りの人があった。

関係者一同は、八十八ヶ所霊場の開創に対しこんなにも関心が深いのかと改めて驚くと同時に身の引き締まる思いをさせられている。

また、9月6日から旭川市近代美術館で開かれていた「弘法大師マンダラ展」でも10月22日の最終日までに約3万人を超える入場者があったとの報告を受けている。

これら一連の事業の盛会について、私ども真言宗関係者が真剣に考えた時、弘法大師に対する期待感、真言密教に対する期待感が極めて大きいことに、まざまざと気付かしてくれた。

このことは現代人が、現代の世がいかに混沌として混迷を深めているのか、そしてどれほど不安におののき、心に安住の場所を見失っているのかを如実に示しているが分かるものだ。

そして、この八十八ヶ所霊場の開創や弘法大師、真言密教に対して、老若男女全てが、一抹の光明を見出そうとしている姿をありありと見ることができた思いがしたものであった。

さて、四国八十八ヶ所霊場巡りについて紙面を裂こうと思う。
四国八十八ヶ所霊場の開創は、お大師様の在世当時までさかのぼることになります。

20歳頃のお大師様、弘法大師空海は、まだ国から正式な僧侶としては認められていない私度僧でした。
(昔は、国が正式な僧侶として認めた後は、年度分者として給金をもらって、正式に経典の講読や講演を行うことが出来た)

この頃、和泉国の槙尾山寺で勤操大徳(ごんぞうだいとく)から得導(とくどう、僧侶になるために剃髪すること)したとされています。
この時分の空海は、仏教思想にことの他傾倒し、あらゆる経典を読みあさるのに合わせ密教の根本経典であります「大日経」を東大寺久米寺東塔で感得しています。

さらに勤操大徳から「虚空蔵求聞持法」の秘法を授かり、この秘法を全国各地で修行したとされています。

四国八十八ヶ所霊場札所は、この秘法修行をされた足跡が偲ばれるところばかりで、その経路をたどれば弘法大師の御影向(ごようごう・・神や仏が現れ出ること)に出くわすことが出来ます。

中でも四国の山岳霊場は、若き空海が私度僧の頃に盛んに「虚空蔵求聞持法」を修した道場が多く。阿波の大龍寺、険しい山道の焼山寺、高知の室戸の岬、愛媛の石鎚山、横峰寺などは、空海が好んで修行をしたところです。

また、温泉が授かった石手寺、子供が授かる香園寺、空海が生まれた善通寺、日本最初の治水事業を行って現存する満濃池など霊験あるところばかりが霊場となっております。

また、霊場を回って感ずることは、霊場が必ずと言っていいほど「水」が絶対に切れない山の中腹かふもとに位置していることです。
弘法大師空海は、生態学にも通じていたようでもあり、何にでも秀でている非常に頭の良かったことが分かります。
こんなお大師様のお徳を少しでも分けていただこうと四国八十八ヶ所霊場を巡拝します。

この霊場巡拝の代表的な逸話が「衛門三郎」のお話です。

昔、伊予の国吹穴郡江原の里に衛門三郎という欲の深い男がおりました。その屋敷は、今も現存しております。

有り余る財産を持ちながら他人に対する愍みの心が少しもなく、他人に恵む、分け与えるといった心が全くない強欲な心の持ち主でした。

お大師様は、この悪らつな心の持ち主を教化しようと思い、ある日衛門三郎の家の前に托鉢に立たれました。もとより無信仰てケチな男ですから、供養する気持ちなどありません。

「この乞食坊主め、さっさと帰れ」と言って托鉢の鉄鉢をたたき落としたのでした。そうしましたらその鉄鉢が8つに割れて天に舞い上がりました。

その翌日から次々と衛門三郎の8人の子供が死んでしまったのです。このとき、8つの白木の位牌を前にして手を合わせておりましたら、これまで自分の行ってきた事の間違いが、このような仏罰にあったのだと気付いたのでした。

それからは、懺悔の心を起こし、自らを反省して、み仏の慈悲にすがって仏罰の苦しみから逃れたいと思うようになりました。仏様に帰依する心が生まれたのでした。

仏様に帰依の心が生まれますと悪いことは出来なくなります。そのため、少しでもき善根を積もうと努力します。

仏様に帰依の心を起こした衛門三郎は、自分の全財産を投げ出して貧しい人々に与えました。そして「この乞食坊主め」と言って追い払ったお坊様、それは弘法大師様だったことに気付き、またさらに懺悔をするのでした。

それから衛門三郎は、一本の杖を頼りにお大師様に懺悔の気持ちを伝え、またさらに許しを乞うために大師のみ跡を追って信仰の旅にでます。

お大師様に会いたい一心から四国を20回回ったのですが、どうしてもお会いすることが出来ません。

そこで、21回目は逆に回ったのでした。しかし、飲まず食わずの厳しい巡拝の旅であった為、焼山寺の険しい山道で行き倒れなってしまいました。そして、山道でたった一人、今息を引き取ろうとした時、お大師様がそっと衛門三郎を抱きかかえる姿がありました。

息絶え絶えの衛門三郎は、お大師様のぬくもりを感じることが出来た時、「お大師様、私が悪うございました」と懺悔したのでした。そして、その直後、息を引き取ったのでした。

お大師様は、衛門三郎の亡骸の左の手を拡げて、そっと2つの小石を握らせてから手厚く葬りました。

それから、数ヶ月後、近くの村に赤ん坊が生まれました。その赤ん坊の左の手の中に小石が2つ握られていたとのことです。
その時以来、衛門三郎は、お大師様(仏様)の力で新たに生まれ変わることが出来たといわれるようになりました。

この逸話の中で分かることは、強欲な衛門三郎でさえも、一度信仰の心を起こし、仏心に目覚めて善行(仏行)を行って徳を積んだとき、最後には仏様の慈悲の心に救われることが出来、生まれ変わることが出来るということを教えております。

四国八十八ヶ所霊場の巡拝には不思議な力があります。お大師様と巡拝する自分とが、いつでも2人で行っていると無意識に感ずる時、それは同行二人の仏行であります。
そして、その不思議な力は、後々何倍にもなってわが身に帰ってくるくることを教えております。

混沌として何かしら不安な世の中に自分の身の置き場を見失っている自分に一抹の灯明を差し出してくれるのが八十八ヶ所霊場の巡拝の姿です。

四国八十八ヶ所霊場とともに北海道八十八ヶ所霊場もお大師様の御影向とともにあることが感じられる霊場巡拝になることを期待されていることが、先日の大法会から感じられたものでした。

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