【高野山真言宗成田山真如院(羽幌本院・札幌分院)】札幌・羽幌での十三参り・水子供養など

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「現代の世と成田山のお不動様」

〈更新日: 2008年12月16日 〉 ※写真が掲載されている場合は、クリックすると拡大表示されます。

平安中期の世の中は、嵯峨天皇の絶大な力による律令政治の安定した国づくりに成功していた。
しかし、嵯峨天皇の亡き後は、宮廷貴族の中から私財を貯める者が表れ貴族社会は乱れるようになった。

また丁度、その頃には農業技術の進展に伴い農業収入が増してきた一部の裕福な農民とその貴族達とが結託したことで、それまできちんとした年貢が納められてきたシステムが崩れはじめ、それまで機能していた中央集権国家の律令政治システムが変革され始めた。

このことによりそれまで安定した宮廷貴族社会が崩壊し、天皇の外戚で摂政という立場にあった藤原一族が天皇政治に代わって政治の実権を握るに至った。

中でも藤原道長に代表とされる摂関政治は、藤原一族の栄華を極めた。

しかし一方、地方にあっては中央権力の中枢から追い出され、うだつのあがらなにい地方豪族であった藤原純友や平 将門らが常に不満を持ち続けていた。

また、それまで中央の貴族たちと結託してうま味を吸っていた地方の有力農民達には、中央から一転して課税負担を求められるに至って不満が一機に増大した。

そんな中、有力農民達の不満と中央の中枢からはじき出されていた地方豪族達の不満とが一つになり中央に対して反乱を起こした。

それが瀬戸内海を中心とした海賊の藤原純友が起こした反乱、さらには関東一円の農民達と結束して起きた平 将門の反乱は旧誌に残っている。

このような反乱事件は、何れも当時の政治経済システムが大きく変革されようとしていた時におきたものである。

要するに政治経済システムの安定期を経た後に良く起きがちな事件といえる。

別の言い方をすると、うま味を味わっているわずかの高級官僚や国家権力に立ち向かう現代のテロ事件と良く似ているものがある。

あの平 将門が関東で反乱を起こしたときは、当時の中央政府は震え上がったと聞く。

そうして、どうにも対応のしようがなくなり天慶2年(939)、朱雀天皇は、京都仁和寺の寛朝僧正に平 将門の反乱平定の勅命を下したのであった。

寛朝僧正は、京都神護寺から不動明王を奉持して弟子2人を連れ、将門の本拠地であった上総の国(現在の千葉県成田山)から五里にある公津ヶ原に小さいお堂を建てて、奉持した不動明王像を安置して三七日護摩を焚いて乱の平定を祈願した。

すると結願最終日の21日に護摩の火の中に血に染まった将門の姿が表れたと言われている。
その姿を見た寛朝僧正は、平 将門は死に、乱は平定されたと確信したという。

そして、寛朝僧正は、京の都に戻りその経過を天皇に奏聞された。天皇は、それを聞き叡感され国司に命じてその地に寺院を建立させたのである。

その寺院こそが現在の千葉県成田市に存在する成田山新勝寺である。

また、このことから成田山と称する山号の付くお寺にのご本尊には、御不動様を安置するならわしになっている。

さて、こんな一点を現代の今の世に見つめて見ようと思う。

つい昨今まで世界の繁栄の源であり、世界を反映に導いていたアメリカ中心のグローバル主義経済がサブプライムローンの問題から世界を巻き込んだ金融不安経済に落ち込んでいる現代の世の中に、世界各地で起きている政情不安や政治テロと上記した平 将門や藤原純友が起こした当時の反乱と良く似ているように思える。

また、明治以来の中央集権国家が地方分権国家に移り変わろうとしている現代日本の国の変革時代の社会状況とも酷似しているようにも思えるのである。

それは、平安時代でも現代のグローバル主義時代でも、
「全てが人間の強欲の行き過ぎから来る反動が、経済の落ち込み、社会不安、混乱を引き起こしている様子が共通している」
とも考えられる。

いずれの時代でも、世界各地のどこの地区でも人間達でも行なうことや考えることは所詮同じのようだ。

こなん不安な時にあって私は、人々や社会の救済のために必要不可欠な仏様である不動明王像所謂お不動様を建立しようとしている。

「人の世の不正、極悪事件をにらんで怒りの炎を燃やし、

頭にあるぐりぐりは、6代までは虐げられた最下層の民であったものが、誠実さとひたむきな努力、慈悲力により7代目には神聖な仏神にまで祭られるまでに成就した姿を示し、

黒色の身体は庶民と供にあることを意味する。

そして、片手に剣を持って悪や不幸を退治し、片手には索を持って弱者を引っ張りあげ、慈悲を持って救済する」

そんな意味を持った仏様が不動明王所謂お不動様である。

お不動様は、方や勇気と悪徳を駆逐する調伏を示す仏様であり、方や慈悲と救済を持ち合わせた仏様である。

この姿は、まさに現代の世情を変革し救済してくれるためのうってつけの仏様といえる。

21世紀の今は、まさに激動の時を過ごしている感がある。

昨年秋に起きたアメリカの金融恐慌は、いまや世界を巻き込んで混乱と不安に陥れている。倒産、リストラ、雇用不安とまさに弱い者イジメが平然と行なわれ、恐怖に似た苛立ちが人間社会に渦巻いている。

私は、毎日大勢の方々にカウンセリングを施しているが、そこに感ずるのは、まさに社会に置き去りにされている人間弱者の方々からの心からの嘆き、苦しみの叫び声が聞こえてくる。

今を含めた現代社会は、人間が孤立し合い、互いをつなぐものが全く見えていない。

「心が不在の世の中」と言える。

こんな時にこそ、心の拠り所となる仏様、お不動様の法力と慈悲に巣がね事が一番の助けに成る。
素直にお堂様に手を差し伸べ、お力をいただいたら良かろうと思うところだ。

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